テレアポ
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メラビアンの法則

お客様と直接対面してのセールストークが抜群にうまいAさんは、じつはテレアポが苦手です。「いや〜、俺は面談向きなんだよ。アポ取りは新人がやってもいいんだし、俺は対面営業に集中するよ」

こんな感じで、アポ取りは無理やり新人に任せます。アポが取れないと新人を厳しく叱せ量責したりするので、部内の雰囲気はあまりよくありませんでした。しかし、面談すると契約を取ってくるので、上司であるマネージャーもなかなか文句が言えなかったのです。そんな状態のときに、知人の紹介で、私がこの会社のコンサルティングを担当することになりました。このコンサルティングの裏には、マネージャーがAさんに言いたいことをなかなか言えないので、外部の私から言ってもらう、なんて魂胆もあったりしたようですが。

私も契約した以上は、きちんと全員に結果を出してもらわないといけません。また、Aさんだけ、テレアポをしないという特別待遇を認めるわけにもいきません。そこで、イヤがるAさんをなだめすかして、なんとかテレアポをしてもらいました。数本の営業電話をそばで聞かせていただいて、Aさんのアポが取れない原因がすぐにわかりました。

Aさんは「しゃべりすぎ」なのです。確かに対面営業で契約を取れるのはよくわかります。Aさんのしゃべりは一流です。しゃべりがうまい。流れるようにどんどん言葉が出てきて商品の良さを説明します。しかし、電話では往々にしてこれがマイナスに作用することがあるのです。電話では説明してはダメなのです。

メラビアンの法則というのをご存じでしょうか? メラビアンの法則とは、アルパート・メラビアンというアメリカの心理学博士が、群衆が話し手の何に影響を受けているかの割合を、実験によって導き出したものです。

それによると、群衆は、

  • 話の内容7%
  • 話し方(声・スピード・大きさ・テンポ)38 %
  • ボディーランゲージ 55%

という割合で、影響を受けていることがわかりました。つまり、この数字に表れているように、人は話の内容なんてあまり聞いていないのです。先の例で言えば、Aさんがどんなにしゃべっても、相手に伝わっているのは7%。声の大ききゃテンポなど、話し方を加えても50%にもなりません。少ないですよね。この法則でも明らかなように、視覚的な影響が重要なのです。Aさんは、対面営業では、しゃべりに自信があるので、ガンガン話をします。そのときに、身振り手振りや顔の表情などを交えて、商品の良さをアピールします。それらの要素が相乗効果となって、お客様の心を動かしていたのです。